ホンダコレクションホール
ホンダコレクションホールの概要と動態保存の理念
ホンダコレクションホールは、栃木県茂木町の「モビリティリゾートもてぎ」内にあるミュージアムだ。本田技研工業の創立50周年を記念して開設されており、館内には二輪、四輪、汎用製品など約300台が並ぶ。
施設最大の特徴は、展示車両を走行可能な状態で維持する「動態保存」にある。単なる展示にとどまらず、エンジンを始動できる状態で管理することで、当時の技術や性能を現在に伝えている。機械の躍動感や情熱を肌で感じられる、世界的にも稀有な施設と言える。
創業期を支えた二輪車と汎用製品の展示内容
館内2階南側では、創業期の製品や二輪車が中心に展示されている。創業者本田宗一郎が自転車に取り付けた補助エンジンから、世界的な名車「スーパーカブ」の初期モデルまで、ホンダの基礎を築いた車両が並ぶ。
また、発電機や耕運機といった汎用製品も同室に展示されている点が特徴的だ。「技術で人の役に立ちたい」という創業理念に基づき、人々の生活を支えてきた多様な製品を一望できる。企業の多角的なものづくりを深く理解できるエリアとなっている。
四輪車市場への参入と歴代名車のラインナップ
2階北側フロアに進むと、四輪車市場への参入から現代に至る市販車の変遷が紹介されている。日本初のDOHCエンジン搭載軽トラック「T360」や小型スポーツカー「S500」は、四輪メーカーとしての地位確立に重要な役割を果たした。
展示は年代順に進み、「シビック」や「シティ」、スーパーカー「NSX」など各時代を象徴する名車が揃う。大衆車からスポーツカーまで幅広い車種を通じ、日本のモータリゼーションと共に歩んだホンダ車の進化を体感できる。
世界最高峰へ挑んだレーシングマシンの展示
3階フロアは、モータースポーツへの挑戦の歴史に特化している。「レースは走る実験室」という言葉通り、世界最高峰の戦いに挑んだ軌跡が実車と共に展示されている。
二輪エリアにはマン島TTレース車両やMotoGPマシンが、四輪エリアにはF1初優勝の「RA272」やマクラーレン・ホンダ時代のマシンが勢揃いする。展示車両は実際にサーキットで戦った個体であり、細部の構造や戦いの痕跡を間近で観察できる圧巻の空間だ。
動態保存ならではの走行テストと企画展情報
定期的に行われる「走行確認テスト」の一般公開も見どころだ。中庭などで往年の名車やレーシングマシンを実際に走行させるイベントで、生のエンジン音や走る姿を直接体感できる。
また、特定の車種や漫画作品とコラボレーションした「企画展」も見逃せない。常設展とは異なる切り口で歴史を深掘りする展示が行われるため、公式サイトでスケジュールを事前に確認する必要がある。
