SEMAショー

車

SEMAショーの歴史と概要

SEMAショーは、米国自動車用品工業会(SEMA)が主催する世界最大級の自動車アフターマーケット見本市だ。毎年11月上旬、ネバダ州ラスベガスのラスベガス・コンベンションセンターで開催されている。

起源は1967年、ロサンゼルスのドジャー・スタジアム地下で行われた小規模な展示会にある。当時は出展社数約100社、来場者は3,000人程度だったが、1977年にラスベガスへ会場を移して以降、急激な成長を遂げた。現在では世界中から16万人以上の業界関係者が集まり、自動車産業の一年間の集大成を発表する場として確固たる地位を築いている。

SEMAショーの会場と開催規模

開催地ラスベガス・コンベンションセンターは、広大な敷地面積を誇る。近年増築されたウエストホールを含め、ノース、セントラル、サウスの計4つの巨大ホールに加え、屋外スペースも活用されている。

展示規模は東京ドーム数個分にも及び、約2,400社以上の企業が出展し、会場内外には数千台の車両が並ぶ。会場間の移動にはテスラ車が走る地下トンネル「ベガス・ループ」が活用されるなど、移動手段にも最新技術が導入されている。イベント最終日には、出展車両が大通りをパレードする「SEMAクルーズ」が行われ、街全体が熱気に包まれている。

出展車両の傾向とトレンド

SEMAショーの主役は、パーツメーカーやチューナーが技術の粋を集めて製作したカスタムカーである。会場で「市販車そのまま」の状態を目にすることは稀で、いかに独創的なカスタマイズが施されているかが評価される。

かつてはアメリカンマッスルカーや、リフトアップトラックが主流であったが、近年では傾向に変化が見られる。旧車を現代的に修復する「レストモッド」の人気に加え、環境意識の高まりを受けた「EVコンバージョン」の展示が急増した。

また、車中泊やキャンプを意識したオフロードスタイル「オーバーランド」も大きなトレンドとなっている。

商談を目的としたトレードショーの特徴

SEMAショーの最大の特徴は、原則として一般公開されていない「トレードショー(見本市)」だ。入場は自動車メーカー、バイヤー、メディアなどの業界関係者に限定されており、厳格な事前登録が必要となる。会場は単なる展示の場ではなく、新製品の買い付けや代理店契約などの具体的なビジネス交渉を行う場として機能している。

バイヤーは「新製品ショーケース」エリアで効率的に最新パーツをチェックすることが可能だ。会期中には数多くの教育セミナーや技術講習会も開催され、業界の人材育成や技術共有のハブとしての役割も担っている。

日本のオートサロンとの違い

SEMAショーと日本の「東京オートサロン」は、共にカスタムカーを扱うイベントであるが、性質には明確な違いがある。東京オートサロンは、一般のファンが入場でき、グッズ販売やライブなども行われる「フェスティバル」としての側面が強い。対してSEMAショーは「ビジネス」に特化しており、関係者のみのクローズドな環境で商談がメインとなる。

規模の面でも違いがあり、SEMAショーはアメリカの広大な国土と自動車文化を背景に、市場規模そのものが桁違いに大きい。日本のメーカーにとっても、SEMAショーへの出展は北米市場への登竜門となっている。