モーターショーでしか見られない!?コンセプトカー
コンセプトカーとは?市販がほとんどされないのは何故?
どのモーターショーにおいても、話題の中心となるのは「コンセプトカー」。
それぞれの自動車メーカーのブースで、もっとも目立つように配置されている。
コンセプトカーは、遊び心溢れるデザインや画期的でインパクトがあるデザインといった見た目、近い未来を見据えた最新のテクノロジーを搭載といった、機能面を強調するなど、メーカーにとっての将来的な方向性を対外的にアピールする象徴となっている。
そのため、世界中から注目されるモーターショーを機に、初公開されるコンセプトカーもとても多い。
コンセプトカーを発表する意味合い
大半のコンセプトカーは、イベントやショールームなどでの展示「のみ」を目的として製作されている。
コンセプトカーは、市販がほとんどされないことがほとんど。
発表をされても、実際に新製品となって発売され、市場に出回ることはほぼないと言える。
それならば、コンセプトカーの存在にはどんな意味が含まれているのだろうか。
コンセプトカーを発表する狙いや意義をみていこう。
アメリカでは、コンセプトカーのことを「ドリームカー」「フューチャーカー」と呼ばれていた。コンセプトカーは、メーカーが考える未来像や夢という意味がある。
たとえば、運転席がない、ハンドルやレバーがまったくない、車の色や車体の長さが変わる布でできた車など、すぐには商業ベースに乗せられない技術を駆使した動力、特殊な外装や内装、未来的なデザインを、コンセプトカーというかたちで実現している。
また、これからわが社はこのようなデザインにしたい、という方向性を示すために、コンセプトカーを発表するケースもある。
コンセプトカーは、モーターショーで展示してアピールすることで、さまざまな意見をヒアリングするというマーケティングツールでもある。
多くの人の目を通じて、メーカーは、ユーザーにとって受け入れられるデザインかどうかを判断できる。
実際に量産、販売することを考慮した車づくりには、さまざまな決まりや制限が付きまとう。
走らない、公道を走行しないことで、デザイナーは自由な発想でさまざまな車のアイデアやデザインを生み出すことが可能と言える。
いすゞ自動車のヴィークロス
実際にコンセプトカーが販売された例も、もちろんある。
いすゞ自動車の「ヴィークロス」は、1993年に東京モーターショーで発表されたコンセプトカーで、近未来的なデザインが注目された。
4WDならではのワイルドさと、カーブを描いた柔和な印象を受けるデザインは不思議とマッチしていて、今でもなお通用する新しさ。
実際に発売された「ビークロス」は、コンセプトカーのデザインとほぼ同じで、再現率がとても高かった。
トヨタ自動車の初代プリウス
1995年の東京モーターショーで発表された「プリウス」は、プロトタイプとして展示された。
コンピューターで制御されたパワートレーンシステムは世界で初めてのもので、効率的な走行によって、当時の車の倍の省燃費性能を謳っていた。
デビューは1997年で、外観のデザインは4ドアセダンタイプで、モーターショーで発表されたタイプよりも、地味な印象となったが、世界初のハイブリット車として、大きな注目をされた。